大学への進学を反対された過去を思い出す

高校生の頃、家族に「女が大学へ行く意味がない」とものすごい反対をされていた。

時は、1998年。女性が大学へ進学するなんてことは特別なことでない世の中です。

しかし、親戚の誰も大学を出ていない状況からすると、(父は大卒ですが、母方の実家にいたので)特に祖父母の世代は大学へ進学する「贅沢」にものすごく抵抗感があったようです。

そんなことを思い出したので過去のエピソードを話そうと思います。

高校は就職の斡旋などしていない

もしかしたらやっていたのかもしれないですが、高校では「進学」の指導しか受けたことがありませんでした。

高校側が就職の斡旋をせず、進学の話しかしていないなんて祖父母は夢にも思ってません。

とはいえ、地元の女子高生は「短大」に進学が一般的でしたし、大学へ進学する人はちょっと物好きか余程の秀才かでした。

だから、まあ短大進学は受け入れられたとは思いますが、

私は「東京の大学へ行く!」と言い出したものだからびっくりされてしまいました。

東京の大学へ進学したいなんて、まさか言い出すとは!夢にも思っていなかったようです。

地元にそもそも大学がない

びっくりされてもそもそも地元に大学がなかったです。

地元の国立に例え進学したとしても実家からは通えないところにあるので、

東京へ出ようが、地元の国立へ行こうが家計にあまり影響はなかったはす。

学費に関しては離れて暮らす父親が出してくれるので、私立に行こうが国立へ行こうが実家的には金銭的負担は変わらずです。

大学進学といったら、県外へ出ることが普通でしたから。

優秀でもないくせに大学へ行く?いや優秀でないからこそ行く

私が当時考えていたことは、

大卒はものすごく見返りがある資格の一つであるという認識でした。

大卒っていうチケットが欲しかった。

「優秀な人は大学へ進学したってしなくたって活躍できるんだ!」とう言葉で進学を諦めさせようとしてきましたが、

「優秀でないことは承知。だったら大卒という肩書きに助けてもらうことは必須になるから」と抵抗。

これに対して「高校を途中で辞めさえる」と脅してきました。

これは単なる脅しでしかないと判断。無視です。私強い。

小生意気なことを言いまくる私と家族で大分揉めました。

この時は、この環境がすごく嫌で、どうしても抜け出したかった。離れて暮らしたかったんです。

そして何より、ここが人生の勝負。「大学進学」は自分が生きてきたところから自分が開拓していく場所へと変える大きなチャンスでした。

家族も根負けして、私の大学進学を受け入れるしかなくなりました。

しかし、進学時点で親は応援してくれるようになりましたが、

同居する祖父とは口も聞かない状態にまで関係が悪化した状態で、上京しました。

離れて暮らしてみて家族の有り難さが初めてわかった

上京して、生活が一変。

大変ではあったんですが、それ以上に楽しかった。

一人暮らししてみて、これくらいのコストがかかるんだとか、

風邪ひいた時の一人暮らしのしんどさとか、

1日誰にも会えず、しゃべっていないなんてこともざらにあるとか、

家族程自分のことを気にかけてくれる人は世の中にいなかったとか、

身をもって知りました。

たまに実家に帰ってくると歓迎してくれて美味しいものを作ってくれて、自分は大切にされていたんだって知りました。

もう、大学進学する事件で揉めに揉めたので、すごく嫌になっていたんですが、

離れてみて、関係は落ち着き、大切さがわかり家族が好きになりました。

巣立ちをするいいタイミングであったんだと思います。

大学へ進学して良かったか

もちろん辛いこともたくさんあったけど、上京してよかったし、大学進学をしてよかったです。

受験生の頃、現代文で読んだコラムで「大学生は人生のモラトリアムだ」という記事がいまだに印象に残っています。

まさに大学生は人生のモラトリアムだと実感しています。

高校生までは勉強、部活、バイトとかなりコン詰めた生活していてきて、

社会人になってからは、生活のほとんどが仕事になり、学生のような時間がなくなる。

その間にある束の間の休息でした。

この時間をいただき、大卒とうチケットをいただけてたことは間違いなく必要なことでした。

大学に進学しなかった方の人生ではなく、進学した方の人生を生きているので実際どっちが良かったのかは知らないです。

幸せになるという意味では、どっちへ進んでも差はないとは思います。

自分のやりたいことや、環境を選ぶならば大学進学で間違いない選択だったと思います。